2025年1月13日月曜日

トイラジコンを作る話(2)


前回の記事では、回路とメカを作ったものの上手く動かなかった話を書きました。今回はその続きで、再設計を行った話です。


再々設計


再設計後のアームを前方から見た図

まずは強度不足の箇所があったので修正しました。
曲がってしまった下側のアームについては肉厚を3倍に増やしました。合わせてハブ周りも変更を入れました。回路周りについてはDCDC周りの改善をしました。
最終的にアクチュエータが動くところまではできました。



再々設計の問題点


再々設計をしたのですが、いくつか問題点も出てきました
  • バッテリーや電源子基板を置く場所がない
  • ステアリングの機構に問題があり、ステアリングセンターを出してもずれる
  • LiPoバッテリーの保管/廃棄に不安あり
  • モータを回すと通信が途切れる
というわけで再々々設計をすることにしました(~ここまでが2021年ごろ)

再々々設計



さて改善点を上げて再々々設計に取り組み始めたのですが、メカ周りの部品が上がってきたのが2023年末、実機が具体化したのが2024年の8月ごろでした。修論~社会人は全然休みが取れず、相当スローペースながらもこそこそ進めていました。

メカ周り


バラした図。メカは右最上段のやつ。

まずは部品配置を大幅に見直しました。もともとの構成では、回路系を車体中央に集め前方のステアリング系と後方の駆動系でサンドイッチするようになっていたのですが、今回からは回路をステアリング/駆動系の上に置くように変更しました。この構成は、無線が切れる問題(アンテナの位置を上面に持ってくる)や回路置き場がない問題(まとまった平面が欲しい)を回避するための施策でした。

メカ部分の上の蓋を外した様子。解体すると戻すのが難しい。

ステアリング周辺ではサーボをGS1502から入手しやすいSG90に変更しました。消費電力が少ないGS1502が良かったのですが、今回考えたタイロッド周りの構成に合わせてSG90に変更しました。回路系を移設する都合上、元々デフの直上にあったモータを前方に倒す形で実装しています。

回路周り


制御基板。MDを交換した際にランドがはがれたのでジャンパを飛ばした。

回路については電源子基板をやめ、1枚の基板に全回路を収めました。
大きな変更点としては、バッテリーがLiPoからニッケル水素の単三乾電池x2になっています。電源電圧が落ちることになりますが、変更したDCDCでも昇圧できるレベルではあったので問題なしとしました。またLiPoの充電回路は削除しました。
そのほかの点では、DCDC・USB-UART変換・MDを変更しました(それぞれTPS63001/63002からPAM2401、FT231XSからCH340K、TB6612からTB67H450)。
USB-CのD+D-のピンアサイン間違いや書き込み回路の不備があったのでマイナー修正版を作りました。


動かしてみた


bluetoothでPS3のコントローラをつないで動かしてみました。


目標どおり動きました🎉

課題と次の話


全てバラした様子。

トイラジコンとして機能するものができました。作っていく中で課題や改善策もいくつか出てきました。
  • 分解組み立てが難しいので改善したい
  • Grove経由の信号のレベル変換がないので、5V信号が来ると破損の可能性あり
  • IMUを搭載したい
  • 基板をフレーム替わりに使いたい
次回はこの辺の改良に加えてM5UnitVをつなげてみたいと思います。

p.s. 作成ログ


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