2019年12月31日火曜日

M5StickVとESP32-DevKitC-32Dで双方向UARTやってみた



 大晦日も自宅にこもって高位合成している中の人です.PYNQ-Z2からUltra96 V2に乗り換えれば,簡単に速くなりそうなんですけどねぇ. さて,今回は積み基板になっていたM5StickVESP32-DevKitC-32Dを使って,UART通信してみた話です.



配線的なもの

 とりあえずピンアサイン的なもの.
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 ESP32  M5StickV
━━━━━━━━━━━━
 GPIO16  GPIO35
────────────
 GPIO17  GPIO34
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 GND    GND
────────────
 M5StickVの方はFPIOAの仕組みがあるので,UARTピンのアサインを間違えても入れ替えれば動くのですが,とりあえずこんな感じにしておきます.
 ESP32の方はUART2を使っていますが,UART0やUART1でも設定すれば使える気がします.

参考:SwitchScience ESP32-WROOM-32に関するTIPS


プログラム的なもの

 今回,ESP32はArduino IDE,M5StickVはMaixPyを使いました.まあUARTのテストだけなのでこれでいいかなって感じです.

コード全体はGitHubに上げておきます.最新版のArduinoでESP32のUART2を使うときは,何も宣言することなくSerial2を使うだけで,OKなようです.

 

結果

 115200bpsで動いた.
左:M5StickV,右:ESP32
参考:Wi-FiがないM5StickVを、M5StickCと繋ぎLINEに投稿してみるまでの手順

今年最後の投稿がこんな感じでいいものなのだろうか...

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2019年12月8日日曜日

にゃーん(異常検知しようとしてできたのか出来なかったのかよくわからない話)


0.初めに

 この投稿はMice Advent Calendar 2019の8日目の記事です.7日目はコヒロさんの2019年全日本大会で人権を取り戻した話でした.人権...僕も欲しい....



卒論のファイルの存在が虚無な中の人です.こんな時期にブログを書くなんて思っていなかったのですが,現役からの熱い圧力強い要望により書いています.今回は異常検知したかった話です.

1.異常検知とは

 異常検知(anomaly detection)は,"通常の動作として明確に定義された概念に準拠しないデータパターン"(wikiより)を検出することで,いろいろな分野で使われています.
 まあいつもの動き(狙った動き)と違うぞってことを見つけるって話です.

2.PID制御ぶるぶる問題

  マウスに限らず,限界感度法とかでPID制御のパラメータを決めている場合,パラメータを上げすぎると出力が発散(振動)することがあります.
見事に発散

別に適切なパラメータであれば問題はないのですが,どんな環境でも動くパラメータを見つけ出すのは至難の業.なので少し高めのパラメータをデフォルトに設定し,出力が発振しかかったらパラメータを下げるようにしてみました.

3.そうだ,検出しよう

さて,出力の発振を検出して...ってどうやって?ここで出力データをよーく見てみましょう.

出力とにらめっこ

何となくですが,比例制御で使う偏差の絶対値をとって,その値をテキトーな区間(半周期あたり)で積分すればいい気がしてきました.制御が荒ぶっているときは値が大きくなって,安定しているときは値が小さくなりそうです.あとはしきい値決めてぶった切れば勝ち確かな?

検出できた???

4.わたし,(誤検知)気になります!

3.で考えた検出方法にはある問題があります.アンダーシュート/オーバーシュートして安定している場合です.元データでは,加速度がノンゼロの区間の遅れが誤検知されています.勝ち確#とは.(※実はこの方法でもどうにか検出することもできたりできなかったり)

やっぱり駄目だったよ


 となると方針変更です.偏差を何か,入力データの変動のみを表すものに置き換えてやればできそうです.
 ある関数の変動を見るとすれば...ああ,微分なんてあったなぁ.まあ厳密に数値微分なんてする必要はないので,もういっそ引き算だけすればいいでしょう(やけくそ).

5.そして,よくわからないものへ

 さて,結果です.

さっきよりイケそう

差分だけならよさげなので,最初のデータと合わせて確認してみましょう.

イケたのでは
 
   とりあえず,誤検知が無くなりました.めでたしめでたし...なんてことにはならない.
実機にぶち込んで動いたら完全なる勝利です.さて,やってみましょう.

 
 あれ,思ったよりも誤検知多いのでは?とりあえずは安定して動いているので,良しとします.

結論.

 異常検知は難しい...が,マウス君はちょっとだけ安定するようになった.このやり方であってるかどうかは知らないです.もっといい方法があったら教えてください.

 Mice Advent Calendar 2019の9日目はべし先輩の未定です.""未定""です.(大事なことなので2回言いました)











おまけ : 偏差だけで異常検知はできるのか?

 3.で作った偏差だけを使うやり方では誤検知が多いという話をしました.が,実はそこで議論していないことがありました.しきい値です.
 具体的な値を言えば,3.の場合0.1をしきい値としていました.ここでしきい値を0.5に上げて比べてみましょう.

あれ,こっちもできてる

 どうやらうまく検出出来ているようです.ですが,4.の方法のほうがパラメータがテキトーでも成功しやすいと感じました.この辺の話はリソースとかの問題もあるので,一概にどちらのアルゴリズムがいいかを決めることはできませんが,まあ好きな方を選んでください.

おまけ2 : タイトルと内容について

タイトルと内容の決定のながれはこちらのツイート及びコヒロさんの2019年全日本大会で人権を取り戻した話の最後のほうを参照のこと.


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