2019年2月15日金曜日

STM32F411でDMAを使ってSPI通信する話(MPU9250使用)



 卒論発表を偵察しに行ったら、他学部の学生がずっと質問している修羅場場面に遭遇した中の人です。
 前回はポーリングでMPU9250とSPIでお話ししていました。実はHALでは割り込みとDMAによるSPI通信が実装されており、今回はDMAを使ってみたいと思います。

 DMAを使ったSPI通信に関して基本的にポーリングの時と同じですが、細々とした設定があるので注意が必要です。

1.CubeMXの設定


 CubeMXでは、SPI通信をDMAで使うための設定が必要です。SPIのDMA SettingsにSPIx_RXとSPIx_TXを登録しておきましょう。

2.コード

基本的にポーリングと同じなのですが、お話しに使う関数が

        HAL_SPI_Transmit_DMA()
        HAL_SPI_Receive_DMA()

になります。関数名がhoge_DMA()となるのでわかりやすいです。
 MPU9250でお話しする場合、読み込みたい(書き込みたい)レジスタを送り、そのあとでデータを読みだす(書き出す)形になるので、書き込みx1と読み込みx1の組み合わせまたは書き込みx2を行う必要があります。ポーリングの場合読み出しを行う時は
 
uint8_t read_MPU9250(uint8_t addr) {
 uint8_t reg, val;
 reg = addr | 0x80;

 HAL_GPIO_WritePin(GPIOB, GPIO_PIN_2, GPIO_PIN_RESET);//CS
 HAL_SPI_Transmit(&hspi2, &reg, 1, 100);//Select reg
 HAL_SPI_Receive(&hspi2, &val, 1, 100);//Read data
 HAL_GPIO_WritePin(GPIOB, GPIO_PIN_2, GPIO_PIN_SET);//CS

 return val;
}

みたいな書き方になります。これをDMAを使ったものにすると、
 
uint8_t read_MPU9250_DMA(uint8_t addr) {
 uint8_t reg, val;
 reg = addr | 0x80;

 HAL_GPIO_WritePin(GPIOB, GPIO_PIN_2, GPIO_PIN_RESET);//CS
    HAL_SPI_Transmit_DMA(&hspi2, &reg, 1);//Select reg
 while (HAL_SPI_GetState(&hspi2) != HAL_SPI_STATE_READY);
 HAL_SPI_Receive_DMA(&hspi2, &val, 1);//Read data
 while (HAL_SPI_GetState(&hspi2) != HAL_SPI_STATE_READY);
 HAL_GPIO_WritePin(GPIOB, GPIO_PIN_2, GPIO_PIN_SET);//CS
 return val;
}

となります。...なんか追加されてますね。

HAL_SPI_GetState(&hspi2)

はSPIの使用状況を確認する関数で、これを入れることでSPIの通信待ちをしています。
頭悪い実装ですね。
 ポーリングの時とは異なり、完了待ちを入れておかないと読み出し先のレジスタを指定しながらデータを受信することになります。MPU9250の場合、先にレジスタを指定しないといけないので、正常な読み出しを行うことができません。

ここまで書けば大体動く...はずです。はい。動かなかったら教えてくだせぇ

3.その他

SPI通信が終了するとコールバック関数が呼ばれます。

HAL_SPI_RxCpltCallback()
HAL_SPI_TxCpltCallback()

これらのコールバック関数は弱参照されているので、別のファイルで別途中身を定義するのが望ましいです。こいつらにグローバル変数を仕込んで、終了フラグにしてもいいと思います。(別に使わなくても動きます。)
©2018 shts All Right Reserved.

0 件のコメント:

コメントを投稿