2022年3月16日水曜日

PYNQとVitis HLSで作るFMA演算IP(3):実機での実行


 前回前々回で、とりあえ回路情報の入ったbitstreamファイルまで生成できました。今回は実機実装していきます。





1.実機のコードについて


 今回の回路構成の場合、DMAの関数に64bitの配列を渡す必要があるように見えるのですが、実際には計算で使うデータ型(今回の場合はfp32:np.float32)の配列を使用して問題ないです。ただし、配列の総サイズ(bit)が64bitで割り切れる必要があります。割り切れない場合は、ゼロパディングで埋めるといいでしょう。
 今回作成したIPはAXI-Liteで制御するのですが、開始の制御以外にループ回数の指定を行います(0x10にint32でループ回数を書き込む)。また、0x00に1を書き込むことで、IPの開始を制御できます。そのほかとしては、dmaの転送設定を自作IPの開始前に行うあたりが少し特殊かもしれないです。
 一応参考としてIPの実行時間を計測します。具体的にはメモリからデータを読み出し始めてから、書き込みが終わるまでの時間を計測します(自作IPをスタートさせたタイミングで入力データの転送が開始され、受信側のDMA IPが終了するタイミングでIPの実行も終了するため)。

2.実行結果

実行結果。140MFLOPS程度の性能であった。


 サンプルコードではCPUの計算結果との比較を行っているのですが、特段表示が出なければ一致していると思ってください。実行速度に関しては、20万回FMAの計算を実行した場合で大体140MFLOPS程度が出ているようです(実はループ回数をいじると計算回数が変化し、計算速度が変化する)。
 CPUで実行する場合と比べると...まぁ遅いといった感想になるでしょうか。クロック周波数が200MHzしか出ておらず、またFMAの計算に16*5nsかかっていることを踏まえればこの程度かなとは思っています。

3.今後


 自作のFMA演算IPを実機実装することができました。次回はAXI-Streamのデータ幅拡張や異なるデータ型への対応についての話です。




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